COLUMN
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2016.12.13テクノロジー
あまりに頻繁に通うので店員さんに顔を覚えられてしまうことに少し恥ずかしさを覚えつつも、もしかしたら近い将来、こういう場面も少なくなってしまうのかなーと感じるAmazonの新規事業ニュースが発表されましたね。
ご家庭でも押しちゃうだけで商品が届くボタンで話題になったAmazonが次のステージとして発表したのが、「財布を持たないどころかレジすら通さない」コンビニエンスストア。
これまでもICカードでの商品購入は可能でしたが、レジも通さないというのはかなり時間の短縮になりそうですね。
金額請求もすべて機械が行ってくれるため、万引きなどの犯罪防止にも繋がりそうです。
ただ、やはり懸念されるのは「機械が高度な思考を持つことは、便利さと引き換えに人間の仕事を奪ってしまうのではないか?」ということ。
(中略)
「経済の歴史を見ると、技術的進歩といえば、たいていは身体を使う手作業を機械化することを表していました。しかし、21世紀の技術的進歩は、これまで人間の領域とされてきた認知能力を必要とする幅広い仕事を機械化することを意味するのです。
さらに、手作業についても従来は単純化できる作業だけが機械化されていましたが、今後はより複雑な作業まで機械化できるようになります」
その具体例として論文に上げられているのは、たとえば、「病院ロボット」。病院内で、食事や処方箋を患者ごとに自動的に輸送するロボットや、手術を行うロボットがすでに出現しているという。
食品業界でも、スペインのある食品加工メーカーでは、ベルトコンベアーで運ばれてくるレタスをロボットが測定し、品質基準に満たないレタスを選り分けているという。
われわれが気付かないうちに、ロボットが人間の代わりに働く光景はすでに世界中に広がっているのだ。
レジ係など接客業の多くは、10年、20年後になくなる仕事として挙げられているのはご存知の方も多いはず。
ところが、コンピューターが奪う職業は私達の想像を超え、認知能力を必要とする職業にまで及ぶ可能性が高いというのです。
そうして職を追われた労働者は果たして再就職できるのか、自らが望むキャリアプランを描けるだけの制度が整うのかなど、その先にはまだまだ暗雲が立ち込めています。
とはいっても、もちろんあらゆる接客業の仕事が奪われるということではないと思います。
作業の機械化によりルーティンワークの技術の差がなくなるとしたら、次にサービスの差別化を図るべき点は「付加価値」です。
「このサービスを受けたら幸せになれるだろうか」「あのお店で商品を買ったらどんな気分にさせてくれるだろうか」といった付加価値を生む「ブランディング力」を一人一人が持つこと。
それこそが、企業や個人を生き残らせる手段なのかもしれません。
サービスを享受できるだけではなく、「また利用したい」とユーザーに感じてもらえる。
そんな「ブランディング力」が自分にあるかどうか、ゆっくりコンビニドリンクでも飲みながら考えてみませんか?