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2021.01.07ビジネス
多くの業界でマネジメント手法として用いられる「PDCAサイクル」。目標を達成するための最も効果的なサイクルとされていました。
ところがそんなPDCAサイクルに関して、「古い」だとか、「今の時代にあっていない」という事も言われてきております。今回は改めてPDCAサイクルとは何かということと、他の方法についてご紹介させて頂きます。
PDCAサイクルとは、ウィリアム・エドワード・デミング博士が提唱した、生産技術における品質管理などの継続的改善手法です。
従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成するすることです。
「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「なぜ」「どうやって」「いくらで」と5W2Hを細かく計画していくことが重要です。
計画に沿って業務を実行することです。
計画通りに実行するだけでなく、後で評価できるように計画の進捗や途中経過を記録する(時間を測る・数を数える)ことが必要となってきます。たとえ計画通りにいかなくても、無理に計画を遂行しようとしないようにすることもポイントです。
業務の実施が計画に沿っているかどうかを評価することです。
実行を進めた結果、計画通りに実行できたか、目標が達成できているかを評価します。実行の時点で計画通りに進まないことが明らかになった場合、その原因を分析します。
また、その逆に計画通りに進んでいる場合もその成功要因を分析します。
計画時に立てた目標の数値などと比較し、できるだけ、客観性や具体性を持った検証結果としてまとめることが必要になってきます。
検証結果によって見えてきた、計画に沿っていない部分を調べて改善をすることです。
引き続き計画通りに進めるのか、計画を中止するのか、計画の中でいくつかの視点を改善するのかなど、多くの選択肢をもって検討します。
PDCAのサイクルを繰り返す方法なので、日々同じ業務を行うような業界では、成果を安定的に向上させることができるため、とても実用的です。
しかし、今は情報の流れるスピードが速く、環境の変化が激しい世の中です。同じことを繰り返し・継続して行うことが少なくなる傾向にあり、PDCAサイクルのスピード感の遅さが、今の令和時代には合わなくなっていると言われています。
特に、IT業界は変化のスピードが速く、同じことの繰り返しも少ない業務なので、PDCAを回すスピード感では追いつけない状態になってしまいます。
IT業界だけでなく、いずれにせよどの業界も将来の予測を立てることが難しくなっている状況でもあり、IT技術を取り入れることでアップデートしていくことも重要になってきます。
時間をかけて綿密な計画を立ててからの実行ではすでに遅いという事です。
そのような背景があり、近年では目まぐるしく状況が変わる現代でも柔軟に対応できる、PDCAサイクルに代わる新たなマネジメントサイクルが登場しつつあります。
PDCAサイクルに代わる、「OODA」ループが今注目されています。
アメリカ空軍のジョン・ボイド大佐が提唱しました。
物事の周辺観察や情報収集になります。
とにかく相手を観察し、とにかくデータをリサーチします。自ら立案した計画ではなく、外部状況の生きたデータの収集に努めます。
今何が起きているか状況判断と理解をすることです。
生きたデータを判断材料にして、集めたデータの意味・本質を深く考えることで戦略の方向性を決めます。
データを収集し、方向性を決めた後は次の行動決断を行います。
様々な行動パターンが考えられる場合も、どの行動を選択するか決断する必要があります。
最後に実行します。
状況の変化が起きれば、すぐ「観察」に戻り、現状把握に努めます。
これらを繰り返す「OODAループ」の進め方が今の時代にはあっていると言われています。
計画を出発点とし、計画に時間を取られるPDCAと違い、スピード感のある周囲の観察とスピード感のある判断、そして即実行が求められるので、市場の動向やニーズに適合ができるという事です。「工程が定まっていない不確定な状況」に対して、「とりあえずやってみる」という方法ですので、想定外の事態や外的要因が絡んだりする状況でも、有効なマネジメントサイクルといえます。
もう1つPDR法をご紹介いたします。
実行に向けた準備の事です。
準備したことに対して実行します。
実行した結果の達成度を見直します。
このように3段階で短くPDRを回していくという考え方で、こちらも変化の激しい時代にマッチしていると言えます。
OODAループやPDRはWEBサイト制作にも活かすことができます。
これらのサイクルは何度も回し続けることが重要です。時代にあったマネジメントサイクルを実行していきましょう。