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2017.02.27テクノロジー
中国のお正月にあたる「春節」。今年2017年は1月28日から始まりました。
初日は「初一」とも呼ばれ、ご近所にあいさつ回りをするといった、日本と同じ習慣もあるそう。
その習慣の一つである中国版お年玉「紅包」の環境が、今年は大きく変わったそうです。
今年、8億人以上が使っているメッセージアプリ「微信(ウィーチャット、WeChat)」を通じて春節前の1月27日から2月1日に送受信された電子版紅包は、前年比43%増の460億件に上った。そのうち1月27日だけで前年比約76%増の140億件以上の紅包の送受信があった。
封筒を買い、相手に配り渡る手間とコストを、現代ならではのテクノロジーで省略した、新しい「紅包」のスタイルが広まりつつあるようですね。同じお正月の風物詩である年賀状のやり取りが年々減少していることにも、同じような理由がありそうです。
紅包、年賀状など紙の媒体が減少していくに反比例するように、現代テクノロジーを駆使したデジタルツールの利用者が増加しています。今後ますます競争が厳しくなっていくであろう紙業界ではありますが、完全に淘汰されてしまうのかというと、そうも言い切れない。
以下は、電子書籍での読書がもたらす、紙の書籍との違いは何かについての研究結果です。
「目に見える」ということは、目で全体を把握することができるということです。紙の書籍ではページの数や本の厚みの印象がダイレクトに伝わるのに対し、電子書籍は与えられる情報がその全てです。言い換えると、「目の前にあるもの」がもたらす印象や価値、そして情報量は、そうでないものより圧倒的に多いのかもしれません。
今回の紅包に関して言うと、「相手の目の前で手渡しする」という行為そのものが持つ意味は、私たちが考えているよりもずっと大きいのではないでしょうか。
その利便性から、私たちは普段から様々なデジタルツールに慣れ親しんでおり、むしろそれらを使いこなせない人が不便を被るという時代にさえなりつつあります。時間がない、手間を省きたいという理由でついつい使ってしまいたくなりますが、そのデジタルツールを利用することによる効果の度合いが、アナログツールを利用することよりも著しく低下してしまっていないかは、常日頃から考える必要があります。
ツールは「使われるもの」ではなく「使い分けるもの」。それを踏まえた賢い使い方で、よりクリエイティブな生活を送りたいものです。